ラピスラズリの恋人
「照れてる?」


悪戯に瞳を緩めて微笑むと、瑠花がどこか拗ねたような表情で口を開いた。


「照れるに決まってるじゃないですか……。だって、こんなの何だか……」


「何だか?」


僅かに戸惑いを浮かべた瑠花が、笑顔で促した俺を見上げた。


「プロポーズ……みたいで……」


必要以上に声のトーンを落とした彼女に、思わずクッと笑ってしまう。


「プロポーズなら、この間したと思うんだけど」


「わ、わかってますっ……!でも、何て言うか……」


しどろもどろ話す瑠花が可愛くて、こんな表情は誰にも見せたくないと独占欲が顔を出す。


視線を泳がせる彼女の顎を救い、性急に唇を落とした。


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