ラピスラズリの恋人
一瞬の間が空いて、二人の会話が続く。
軽薄な台詞をペラペラと並べる男に怒りが込み上げ、そんな男を何とか思い止まらせようと気丈に振る舞う瑠花に胸の奥が痛んだ。
彼女の言葉も虚しく、男はエンゲージリングを返せと言う。
“腸(ハラワタ)が煮え繰り返る”とはこういう事を言うのだと理解し、それでも関わるべきじゃないと自分自身に言い聞かせる。
立ち去るタイミングを完全に失った俺は、瑠花の横顔を一瞥(イチベツ)した。
その表情は、酷く傷付いている事を物語っていて…
「そんな物、返してあげなよ」
気が付けば、睫毛を震わせながら涙を堪える瑠花に声を掛けていた。
軽薄な台詞をペラペラと並べる男に怒りが込み上げ、そんな男を何とか思い止まらせようと気丈に振る舞う瑠花に胸の奥が痛んだ。
彼女の言葉も虚しく、男はエンゲージリングを返せと言う。
“腸(ハラワタ)が煮え繰り返る”とはこういう事を言うのだと理解し、それでも関わるべきじゃないと自分自身に言い聞かせる。
立ち去るタイミングを完全に失った俺は、瑠花の横顔を一瞥(イチベツ)した。
その表情は、酷く傷付いている事を物語っていて…
「そんな物、返してあげなよ」
気が付けば、睫毛を震わせながら涙を堪える瑠花に声を掛けていた。