ラピスラズリの恋人
ソファーに座ったままの体勢で、キスを繰り返す。


「……っ、り……ひと、さっ……」


次第に息が上がっていく瑠花に、満足げな笑みが零れた。


「黙って」


込み上げて来る情欲は会えなかった時間を思い出させ、すぐ目の前に瑠花がいるにも拘(カカ)わらず、心と体が彼女の温もりを強く求める。


言葉を交わすよりも。


寄り添って過ごすよりも。


今はただ、瑠花を抱きたい。


ソファーにしようか、それともベッドまで行こうかと数秒程悩んだ挙げ句、目的地を決めて彼女の膝裏を救ったけど…


「あのっ、せめてシャワー浴びさせて下さいっ……!」


その言葉に、俺の行動は制されてしまった――…。


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