ラピスラズリの恋人
いつものように散々鳴かせた瑠花は、ベッドでスヤスヤと眠っている。


1年前の彼女とは違う、穏やかな表情に心が満たされた。


あの日、メッセージカードに必要最低限の言葉しか残さなかったのは、その方が瑠花の心に少しでも入り込めるかもしれないと考えたからだけど…


そのもっと前から俺の心に入り込んでいた彼女には、どうしたって囚われる運命だった気がする。


俺の心を救ってくれた少女はいつの間にか大人になっていたけど、あの時感じた優しさも温もりも変わらない。


だから…


「愛してるよ、瑠花」


誰よりも大切な最愛の君を、俺はこの先ずっと自分の全てを掛けて守っていこうと思うんだ――…。





             END.


< 98 / 100 >

この作品をシェア

pagetop