ただひとつ。Side Story
「…ホレ、帰るぞ~!」



「…あれ?もう買ってきたのか?」



「おう。……ホラッ、お前のタバコ。なくなりそーだったから買っといたぞ。」



投げた箱を、大地はおぼつかない手でキャッチした。



「…サンキュ。あ、待って。わすれる前にお金……。」



「んな400円そこそこの金なんていらねーよ!」


「…いや、そういう訳には…。それにビールはほとんど俺しか飲まないし。…いくらした?」



出た!


A型男……。



「…面倒くさ…、いーって別に!」



「いいから。レシート見せて。」


「…レシート?!」




非常に面倒くさいが、しないならしないでますます面倒なことになりそうだ。




「……も~…。」



渋々財布の中をあざき……


しわくちゃになったソレを、そのままやつに手渡した。





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