ただひとつ。Side Story
「ゴミじゃないんだから…。」
ぶつくさと呟きながら、大地はレシートを開いた。
そして…
もさくさしながらお金を取り出すと…
俺の目の前に差し出した。
「………お前、それ大分多いぞ?数字見えなくなったか?…てか、いらん。」
「いーから!久々だし、場所提供してくれたじゃん。」
「…………。」
「ホラ~…。」
「…………。」
こんなにしつこくされたら……
遠慮なく受け取るぞ?
「…かえってワリィな。じゃあ、お言葉に甘えてこっちだけ。小銭はこれ以上財布に入んないからいらない。」
俺は一度受けとった小銭を…
大地の手の平に握らせた。
「…………。」
じっとその手を眺める大地。