ただひとつ。Side Story
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「なんだよ、青山。何か用かあ~?」
短い髪の毛をいじりながら…
さも、怠そうにそのオトコはやってきた。
3年の教室…
刺さる視線が、痛すぎる。
「ちょっと場所変えませんか。」
「別にここでいーだろ。面倒くせー。」
「…いいんですか、本当に。ここで…。」
青山…、お前、煽るなよ…。
相手·佐野はー…
鋭い目つきで俺らを睨んだ。
「…じゃあ…、外行くぞ。」
「…はい。」
俺らは佐野に誘導されるがままに、後をついていった。
こいつはなんて物おじしない奴なんだ…?
明らかに人の気配のない方へと行ってるじゃないか…。
やってきたのは、校舎二階にある体育館のちょうど真下に当たる空間……。
普段は雨天時にサッカー部やホッケー部などが利用する、「ピロティー」と呼ばれる場所だった。