ただひとつ。Side Story
戦いのゴングが、今にも鳴りそうだ。






「…先輩も知ってますよね。西藤の怪我のこと。」



口火をきったのは…


青山の方だ。



「ああ。俺ら3年も色々聞かれたよ。それで…、なに、自分がしたって告白しにでも来たのか?」



「…その逆ですよ。」


「は?」



「…別に表向きはどうだっていいんスよ。どうせ先生も俺を伺ってるし、そういうことにしておけばめんどくさくねーし、西藤も楽だろ。」



「…まるで自分はしてないような言い草だな。」



「してないんスよ。」



「…へえ…。あっそ。…で?何が言いたい?」



「…裏向きでは…、認める訳にはいかないんですよね。だって今目の前に……犯人がいるんですから。」




…言った!




……て、大丈夫なのかよ…。



証拠もねーぞ。





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