ただひとつ。Side Story
……そんなことを考えているうちに…、




妙に透子に会いたくなってきた。



酔っているからじゃなくて……


ただ、話をしたい。


こんな小さいことで喧嘩してんのは……



アホらしいじゃん。






「あ~あ、透子何してっかなあ?」


「…ひよりに聞いてみるか?」


「いや、別にいい。言ってみたかっただけだ。」





何を隠そう、透子は今…こいつ、颯太の新居にいる。



喧嘩して気まずくなって逃げ込んだ先が……


そこだった。




相変わらず……



【愛情】より、【友情】の女だ。





「…つーか、お前はさっきから誰にメールしてんの?浮気相手か?」


「お前と一緒にすんなよ。…ひよりだよ。」


「たったひと晩会えないくらいで…?マジ『新婚さん』じゃん。何年一緒にいるんだよ~?」


「…うるせーな。いーんだよ、俺らは俺らで!」



「……あ、そう。」





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