ただひとつ。Side Story


ピッ…



「はい、もしもし?」



一応旦那の威厳を守る為、強い口調で電話に出た。




『あっ、やっと出た~!もしもし、私だけど…』



「んなの分かってるよ。」



心なしか…



テンション高くねーか?




『またそんなこと言う~。てか、どうでもいいのよそんなこと!』


「…はあ?何そんなに興奮してるワケ?」




『ねえ、アンタ知ってたの?!』



……?



「…何がだ?」



『別に隠してた訳じゃないよね?』



「…何を?ハッキリ言えっ。」



…加藤の話?!





『ひよりが……』



「うん?」




『ひよりが妊娠してること。』




「…………。」




俺は……




颯太をじっと見つめた。







< 265 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop