ただひとつ。Side Story



12月24日。


クリスマスイヴ…。



テーブルには沢山のご馳走と、サンタやトナカイがさも愉快そうに微笑む砂糖菓子ののったクリスマスケーキが華やかさを演出する。



ツリーの電飾が点灯するその様を見ては、息子…「日向」はピョンピョンその場を跳ねて喜んだ。




静かな夜の、


二人きりの時間……。




「ねえ、おとうさんは?」



「…ん~…、お仕事。」



「サンタさん来るのに?」



「あははっ。どっちが早いかなぁ、サンタさんとお父さん。」



「…おとーさん!いっつもよるかえってくるもん!」


「…うん、そうだといいね。」



時間は夜の7時半を回っていた。



日向の願いは私の願いでもあり……



ここに、君の笑顔があったらどれ程嬉しいことだろうと思う。


昨日は職場に泊まり…。
そして今日は、休暇のはずだった。





< 273 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop