恋に恋して恋をする。
「ねぇー、小島さん合コン行きたいの?」


そう話かけたのはクラスメイトの坂下さん。


「実はさぁ、明後日の土曜日に合コンやるんだけど、女の子1人足んなくてさぁ!来てくんない?」


坂下さんはキレイにネイルされた指を合わせた。


「行く!行きます!」


私はしゅぴーんっと右手を挙げた。


「やったー!助かるぅ。
じゃあ11時に駅集合ね!」


ありがと~と言いながら去って行く坂下さん。


「ちょっと、マジで行くの?」


と、つかさ。


「坂下さんと仲良かったけ?」


と、あっさ。


「いんや。あんましゃべったことない」


坂下さん、ちょいギャル系のグループだかんね。
悪い子じゃないけど。


「そんなんで急に合コンとか大丈夫?」


「フッ……大丈夫よ、あっさ。
さゆちゃんに続いて私もカレシGETするよー!」


大声で拳を振り上げていたら、教室に入ってきたばっかりの奏くんと目が合ってしまった。


うっ……


思わず目をそらす。


……いや、気にすることないよ。
うん。


チラリと奏くんに目を戻すと、何事もなかったように席に着いた。


何か、ムカつく……



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