恋に恋して恋をする。
「遅れてごめーん!」


坂下さんが勢いよくドアを開けた。


AKBを歌っていた男子が歌うのをやめて「おっせーよ!」とマイク越しに言った。



中には男子が5人と女子があと2人いてみんな知り合いらしく、完全にアウェイっぽかった。


尻込みする私の背中をバーンと矢口さんが押した。


「今日、急遽来てくれた同クラの小島ちはるちゃんでーす!」


えぇ!?


「イェーイ!ちはるちゃーん!さっそく歌ってよぉ!」


まだ名前も知らない男子にマイクを差し出される。


うぉお……いきなりですかい!?


「てかドリンク、セルフだから好きなん持って来なよ」



奥にいた女の子(たぶん隣のクラスの子)がそう言った。


はぁ!天の助け!


「あ、私!私持ってくるから、坂下さんと矢口さん座って!ね?何がいい?」


「えー?いいのー?
じゃあウーロン」


「私、コーラ」



「ウーロンにコーラね、OK!」


そう言ってそそくさと部屋を出た。



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