君と私。
忙しい廊下は山ほど性とがいて、私と蒼ちゃんが横に並んで歩いていると、通りかかる女子さん達の目線がとても怖い…
「…ん?葵どした?」
蒼ちゃんは、私が気まずいのを気づいたのか、心配そうな表情を浮かべて、少し顔に掛かった前髪を大きな手でよけてくれた。
この蒼ちゃんの行動、私の髪の触れるのなんて、私達の中で普通。
なのに、それでもドキドキしている私はバカなのかもしれない。
「…ん、だい、じょうぶ。」
私は顔を上げ、蒼ちゃんを見て笑うと蒼ちゃんも少し笑った。
ドキドキなんて感情、感じたくない。
私と蒼ちゃんは、ただの友達だから。
それ以下も、以上もない関係だから。
その後、蒼ちゃんに教科書を渡して、彼は自分の教室へ消えていった。