騙し、騙され、愛の渦
最近、飽きれる位に遅いし…そしたら、キャバクラみたいな お姉ちゃんの店に行ってたんじゃないの?


酔っ払っていたせいか、テーブルの上に、財布と一緒に置 き去りにされていた。


朝、先に起きた私は、テーブルの上を片付けようとして、 この名刺を見つけたの。


お姉ちゃんの店に行って何してるのか分からないけど、浮気まがいの事をしてるような気がして…


今まで堪りに堪りまくった感情を爆発させてしまい、今に至る。


我慢に我慢を重ねた挙げ句、浮気の兆候。


許せない、絶対に許せない!!


今日という今日は絶対に許せないの!!


お互いに今日は休みで出かけようって言ってた。


もしも、まだ翔太が私の事を気にかけてくれてたのなら ば、電話して来て…。


とりあえずは実家に帰るから。


私は実家に向かう為、実家近くのバス停で降りて歩く。


歩道横に植えてある木々達からは、茶色の葉がヒラリ、ヒラリと落ちてくる。 街はクリスマスムード一色で、きらびやかに店の中が飾ら れていた。


今年はもう、翔太とはクリスマスを過ごせないかもね…と思 いながら実家に向かった。

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