「生きていてよかった!」、そんな夜
肝心なことを書き忘れていたが、私も友人も全盲の視覚障害者である。
障害の無い人ですら仕事を得るのがたいへんな世の中。視力があるならまだほんの少しはどうにかなるのかもしれないが、それが無い私たちは、仕事をすると言うことだけでも難しいのだ。
たとえやりたいことがあったとしても、周りの理解が無いためそれをやりたい気持ちがあってもできない。
「目が見えないんだから無理だよ」と言われるばかりでやらせてもらえないのだ。なので盲学校、今でいう視覚特別支援学校(所により視覚支援学校)を卒業しても働く所が無いのが現状だ。
そんな障害者に仕事や生き甲斐を提供してくれる場所、「作業所」と呼ばれる物が、じつは町のあちこちに立てられている。私もその作業所の一つに通っている。友人もそうだった。
ところがさきほども書いたように、友人は運よく障害者を雇用している会社に就職できた。だが・・・。
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