ノータイトルストーリー
Case:覚_phase06
車はついに我が家へと辿り着く、
いつものように玄関を開ける。
当然出迎えなどない…(笑)
「お~い!ただいま~」
「は~い、おかえり~」
と妻がパタパタとスリッパの音と一緒にやって来る。
「今日は遅かったのね?」
「まぁな、ちょっと会議が長引いてな…」
「ほら、頼まれてた醤油。」
「ありがと」
「はいはい、お安いご用ですよ…」
と安物のクタクタになったスーツの
上着を脱ぎネクタイを緩める。
リビングのソファーにボスッと座り込む。
「今、ご飯にするからちょっと、待っててね~」
「はいよ~」
やはり、我が家が一番だ。
心が安まる。
しかし、頭が痛いのは
約25年分の借金と子供達の事だけだ…