涙ペットボトル
サッカー あかり【side】
「優太くんそこっ!シュート!」
「優太いけーー!!!!!」
「優太くん頑張れー!!」
コートの周りには、たくさんの人だかり。
となりでは、かのんちゃんがはしゃいでいる。
優太くんは、その声援にこたえるように
おもいっきり蹴ってシュート!
「きゃー!」
女の子たちの黄色い声が聞こえる。
今日、優太くんが入っている部活のサッカーの試合を見に来ています。
ちょっと学校から離れたところにある
サッカーの人工芝にいます。
それにしても、優太くんかっこいいなぁ。
他校の女の子にもきゃーきゃー
言われてるよ。
あらためて思うと、そんな彼の彼女が
あたしなんて夢みたい。
汗だくな優太くん──…………。
一生懸命な優太くん──…………。
シュートする優太くん──…………。
どれもかっこいい。
その時、優太くんと目があった。
「あっ…………」
すると優太くんは、遠くから
手を振ってくれた。
そして、にこって笑う。
キュン─……………。
ドキドキするあたし。