涙ペットボトル
「まじかよっ!。奏太は、水城のこと
好きなのかよっ?」
「ぎゃはははははっ!
くっつけ!くっつけ!」
他それぞれからの言葉。
「ちょっと待って下さいっ///」
あたしの小さい声なんか聞こえない。
奏太さんは、にこにこ笑っている。
「ほらっ!ほらっ!水城さんっ!
奏太のところ行ってこいっ!」
えー?!
「奏太いい奴だからっ!」
えーー?!
そう言ったみんなは、あたしを
引っ張り上げ、奏太さんのところへ
無理やり連れてこうとした。
「やめてくださいっ!」
もうやだ。なんか怖い。
涙が出てきた。
サッカー部のみんなが引っ張る強さ
は、あたしではふりほどけない。
やだ。やだっ!
「勝手にすんなよ」
ピタッと止まるみんな。
低い声がファミレスに響く。
シーンとなった─…………。
え───……………?
力つきたあたしは、
その場にぺたんと座り込んだ。
声のしたほうを振り返ると
ブラックオーラを出している優太くん。
「優太の存在忘れてたぜ!
なんだー?修羅場っ?」
再び、巻き上がる声。
「優太かっこいーぞっ!
よっ!男前っ!」
「お前らまじふざけんな」
ピシッと固まるみんな。
冷たい目つきでみんなを見た優太くん。
そして、座り込んだあたしを
優しく、引っ張り上げた。
ばふっとあたしのパーカーを
投げた。
「あかり。帰るぞ」
「ぅ、うん」
あたしは、パーカーを着て、
「みなさん。今日は、ありがとうございました。」
と言った。
「あかりばいばい」
とかのんちゃん。
「うん。また明日ね」
優太くんは、キャプテンに
1000円を出して、
何も言わずに帰った。
そして、あたしも一緒に店を出た。
ドキン、ドキン、ドキン、ドキン──………。
優太くん──……………。