涙ペットボトル




外に出ると、辺りは真っ暗になっていた。


秋だから夜は、もう寒い。



優太くんは、あたしの手を握って

引っ張っていった。



あったかくて大きな彼の手は、
いつもあたしを包み込んでくれる。




「あかり」



「何?優太くん」



「ごめんな。怖かったよな?」



「………あ、全然。大丈夫。」



「大丈夫じゃねーだろ」



「…………ぅん。」




「ちゃんと嫌ならはっきり言え」



「ぅん」



「怖いなら思いっきり言ったれ」



「ぅん」 



「伝わらなかったらオレのところに
こればいい」



「………ぅん」



涙が頬に流れる。




「泣いていいから」



「ぅん」



優太くんに抱きついた。



「怖かったよぉぉ──…………」



「うん」



本当に怖かった。


奏太さんのところに連れてこうとした
みんなの力が強すぎた。


抵抗できなかった。



「う、えぇん…ひっく」



「よしよし」


優太くん。あったかい。





 


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