涙ペットボトル
「じゃーな、あかり」
優太くんがにこっと笑いながら言った。
「うん!ばいばい!
サッカー頑張ってね!」
「おう!」
そう言うと、優太くんは、教室を出た。
かのんちゃんとばいばいすると、
教室は、あたし一人になっていた。
机に座り、窓の外を眺める。
今日は、灰色の空。
曇りだね───…………。
ボーッとしていると
「あれっ?水城ちゃん」
ビクッとして恐る恐る声のしたほうへ
振り向く。
あぁ。やっぱりだ。
「奏太さん──…………」
「ん?何?」
ニコニコ笑っている奏太さん。
どうしようかな──……………。
今、奏太さんと二人っきりだ。
「水城ちゃんひとり?」
「はい」
「そーなんだあ」
奏太さんは、そう言うと
教室に入ってきた。
その時、ふと奏太さんの足に目がいった。
「奏太さん。足大丈夫ですか?」
「あぁ。足?ちょっと痛めたんだ」
「そーなんですか?」
なんか、引きずっていた。
大丈夫なのかな?
「大丈夫だよ」
でも、歩くのにも苦労しそう。
固定したりしてないし。。
「あの──…………」
「ん?」
「テーピングくらいなら
できますけど、、、」
「ほんとに?やってくれる?」
にこって笑った奏太さん。
つられて笑顔になる。
「いいですよ」
「よっしゃー!!
オレ、不器用なんだよねー。
今日、マネージャー休みでさー。
困ってたんだ!ありがとな!」
「いえいえ」