涙ペットボトル


奏太さんは、鞄からテーピングを取り出し、あたしに渡した。


「実は、あたしこれでも中学のとき
野球部のマネージャーだったんです。」


「へぇ──…………」



「あんまり野球とかわかんなかったんですけどね」


えへへって笑う。


ていねいにテーピングをする。


「よしっできましたよ」


「おー!ありがとな水城ちゃん!」


「そんな、たいしたこと。。」


「いやいやありがとう」


笑顔な奏太さん。


「大事にしてくださいね」


「─…………うん」



沈黙が続く、、


「では、あたし帰りますね

さよなら。」


あたしは、鞄を持ち、教室を

出ようとした。


その時、ふと、背中に違和感を感じた。


「えっ?!ちょっ」


振り向くと、奏太さんの顔があった。



あたし、抱きつかれてる──………?




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