涙ペットボトル
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン──…………。
えっ?何で?
「水城ちゃん─…………」
甘い声でつぶやく奏太さん。
「ちょっと、はなしてください」
「やだ」
「ほんとにはなしてぇ」
やだやだやだっ!
力強いよ。
奏太さんは、あたしの首らへんを
がっちり腕をまわしていた。
「水城ちゃん…………。。
水城──……………
あかり──…………………」
やだよっ!
「はなしてっ!やだっ」
「はなさない」
奏太さんは、はなさかった。
「何でですか?やだって言っているじゃないですか!」
「あかりが好きだから」
…………………え───……………?
奏太さん──………………?
「あかり。好きだ。
優太なんかやめてオレにすれば?」
ドクン、ドクン、ドクン。
奏太さん─………。
「優太くん…………なんか?」
あたしは、ボソッとつぶやいた。
「は?」
「優太くんなんかじゃないです」
「あかり?」
「優太くんは、あたしを大切にしてくれる素敵な人なんです。
そんな侮辱するような言い方しないで下さい!」
「へぇ?あかりは、すごく優太のこと
好きなんだ?」
不気味な笑みを浮かべる奏太さん。
ゾクッとする。
「好きです。大好きです」