涙ペットボトル
涙が溢れて、止まらない。
優太くん以外の人と
キスしてしまった───…………。
奏太さんにだ。
あたしは、走って渡り廊下の真ん中で
止まった。
ヤダ。
最低だよ──……………。
優太くんにあわせる顔がない。
あたしの心臓は、おかしな音を立てる。
その時…………。
「あかり。どうした?」
渡り廊下の外の方から声が聞こえた。
タイミング悪い。
優太くんだ───……………。
「何泣いてるんだよ。」
「………」
ごめん。何も言えない。
言ったら嫌われるかも──…………。
「なっ…んで…もな…い」
ヒックヒック言いながら、
言うが、あたしの涙は、止まらない。
「なんもないわけねーだろ?」
優太くんが覗き込む。
「水城ちゃん」
優太くんではない声の方へ
目を向けた。
奏太さん…………………。