涙ペットボトル
「奏太なんだよ」
と怪訝な顔で言った。
「そっちが何?」
奏太さんが言う。
「あかりに何かしたのか?」
「……………だったらどうする?」
奏太さんが不気味な笑みを浮かべた。
ゾクッとする。
やめてよ…。優太くんに言わないで。
優太くんに嫌われたくないよ!
「オレ、水城ちゃんにキ──…………」
「言わないでっ!!」
奏太さんが言おうとしたとき
あたしの声が重なった。
「それ以上言わないでください!」
自分でもびっくりするくらい叫んだ。
下をうつむいていると
「……あー…わかったよ」
という優太くんの冷たい声が頭に響いた。
そう言うと優太くんは、部活へ戻って行った。