涙ペットボトル




「先生!優太、優太は?!」

優太くんのお母さんが声をあげた。


「岡田さんは、幸いにも命をとりとめました。

あんな大型トラックにひかれて
生きてるってすごいことですよ」


先生がニコッと笑った。


まわりが目をあわせてほっとした。


「じゃあ、優太は目を覚ますんですよね?」

泣きながら優太くんのお母さんが言った。



「すいません。息はしているんですが

確実に目を覚ますとは断定できません。

そのまま、息をひきとる場合もあります。

それに、もし目が覚めても、
障害が残るかもしれません。

足が動かなくなるかもしれないですし

脳の働きが悪くなったり、

いわゆる記憶喪失も十分にありえます」



障害って_____…。



優太くんが?



障害?



みんな唖然としていた。


前まであんなに元気だった人が
こんなにも変わるなんて思っても
なかったから。










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