涙ペットボトル




その日は、優太くんのお母さんと

あとから急いできた優太くんのお父さんが、病室で泊まっていった。

優奈ちゃんは、おばあちゃんちに
泊まることになり、


あたしたちは、先に家に帰った。


まだ正直、現実味がなかった。


その日は、夜も眠れなかった。

苦しくて、苦しくて、喉が痛い。


でも、優太くんを信じた。





それからというものの、



毎日、学校帰りにかのんちゃんとヒロトくんと、病室に通った。


まだ、優太くんは目を覚まさない。


学校でも大騒ぎ。


クラスの女の子が泣いているとこも見た。


神社にだってお参りに行った。


優太くんが元気になりますように。



優太くんがいなくなりませんように。



また、笑顔が見れますようにっ…て。



何百回、何千回も祈った。









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