涙ペットボトル
「記憶戻ることは、ありえるけど
それまでに時間かかるらしいな」
ヒロトくんが言った。
「なんか、変な感じ。
優太くんが別人みたいだったね」
「そうだな。記憶喪失って、
自分失うもんだから、人格変わること
もあるらしい」
「え、それじゃあ、あたしたちの
知ってる優太くんは、もういないの?」
泣きそうな声で、かのんちゃんが
ヒロトくんに聞いた。
「……そーゆーことだな」
悲しく呟いたヒロトくん。
『愛してる』って言ってくれた
彼は、この世界にはいないってわけなの?
ただ抜け殻があるだけなの?
もう…戻れないの?
あたしにとっての優太くんは、
まだ生きてるのに…………?
あたしは、
どうすればいい?