涙ペットボトル
そのとき……
トラックがスッと通った。
その瞬間、向日葵がぶわっと
宙に浮き、優太くんも向日葵と一緒に
宙に浮いた。それも残酷な形で。
「…うっ、、」
赤い血が飛んだ。
「ゆ、優太…くん?」
「…………」
「優太くん!?優太くん!!
優太くん!!ねぇ!優太くんってば!」
あたしは、優太くんに近づいた。
『君は1人じゃ何もできないの?』
誰かの声。
「だ、誰?」
『君は、泣くばかりだ』
『君は、弱い人間だ』
『君は、彼のために生きようと
思わないの?』
「な、何々何々何々!!?」
何度も繰り返してくる声。
「違うっ!嫌っ!聞きたくないっ!」
耳をちぎりたい。
聞きたくない!
『君は、愚かで駄目な人間だ』
「いやぁぁぁぁぁあ_____」
「….….……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
耳をちぎろうとした手がそのまんまで
目の前は、天井。
涙が流れていて、
息が荒くなっていた。