聞いてくれ!
心からの叫び


「――皆、聞いてくれ。」




私の担任、こと藤間武彦先生は重々しい口調で言った。


武彦先生、通称マダケ。
本人はマツタケを希望しているが、そんなの知らない。
彼はもう定年間際の先生であり、皆今年が最後だろうと噂している。


多分、普段熱い先生がこんな調子で話すのだから、きっと話題はソレだろう。




皆、ソレを感じ取りしんみりしていた。




「……先生、皆にお別れを告げなければならない…」




周りからとうとうグスグスと涙を流し始める音が聞こえる。


何だかんだであだ名が付けられるくらい親しまれていた先生なのだ。


やはり別れを告げられるのは寂しいのだろう。


……私も少し、寂しかったりするけど何となく恥ずかしいので涙は流さないようにしていた。
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