聞いてくれ!
マダケは実に自分勝手な先生だった。
給食で好きなおかずが出た時は生徒より自分を先に優先していたし、
かけっこ競争で手を抜いて勝たせてあげるという精神は持ち合わせていなかったし、
自分の過去の英雄談を語らせたら授業丸々一時間潰して語り出すし、
先生らしいことしてくれた覚えは何もなかった。
だけど、
「――先生にはコレばっかりはどうしようも出来ないんだ…ごめんな…」
いつもマダケは私達に本気で接してくれていた。
嘘はつかない、最低だけど信頼出来る先生だった。
「…せ、…先生……どうしてもダメなの…?」
耐えきれず、クラスで一番マダケに懐いていたココロちゃんが尋ねた。