聞いてくれ!
「あぁ…ごめんな…
先生、宝くじ一等当たって働く理由がなくなったから……ごめんな…」
そうか。
私は皆に声をかけた。
これでも学級委員長だからな。
「さぁ、ボンクラダケの茶番は終わりにして皆帰ろうか。」
「……え?
まだ朝だから一時間も授業してないんだが……?」
「やったぁ!
これから夏休みだぁ!」
「いや、もう冬休み終わった…」
「長い休日嬉しいなぁ…」
「あの、授業どうするんだ…?」
「あー、ついに学級閉鎖か…
身に入らない授業から解放されて嬉しいや!」
「君らピンピンしてるよな?」
「あ、今から他クラスに引っ越さない?
それか新任のイケメン先生の所行くとか!」
「…だからお前ら「賛成――!!」
私達は軽快なステップで教室を出た。
「誰か俺の話を聞いてくれ!!」
その悲痛な心からの叫びは私達には全く聞こえなかった。
-終-