アっと驚くお狐さま!!【完】
ダッタカダッタカ!
狐状態の僕は、四つ足で山を駆け上る。藪が頬を撫で、爪に土が入る感触が確かにする。狐になると、通常では見えないものが見える。山の中に、いくつもいくつも鬼火が浮かんでいる。それを次々と視線で消しながら、僕の中の狐はむくむくと大きくなっていく。口からしゃああと気を出しながら、山の頂点を目指す。
< 2 / 19 >

この作品をシェア

pagetop