Special Edition


「はぁ~~い♪」


鈴音のような愛らしい声で返事をしながら

満面の笑みで小走りに駆けて来る。


―――――俺のもとへ。

ボスッ!!


「お待たせぇ~……要」


両手を広げて、待ち構えている俺の胸元へ

躊躇うことなく飛び込んで来る杏花。


可愛くて、愛おしくて、狂おしくて

愛して止まない……『最愛の妻』



そんな彼女をギュッと抱きしめ


「今日くらいは幾らだって我が儘聞いてやる」

「ホント?!」


杏花は嬉しそうに顔を上げるが、

実際のところ『今日』に限らず、

彼女の我が儘ならいつだって

無制限で聞いてやるっつーの!!



「フフッ…」

「ん?」


不思議そうに覗き込む杏花。


「別に何でもない。そろそろ出るか?」

「うん!!」


嬉しそうに微笑む彼女の唇に軽くキスを落とし、

俺らは久しぶりのデートへと繰り出した。


< 139 / 477 >

この作品をシェア

pagetop