Special Edition
「はぁ~~い♪」
鈴音のような愛らしい声で返事をしながら
満面の笑みで小走りに駆けて来る。
―――――俺のもとへ。
ボスッ!!
「お待たせぇ~……要」
両手を広げて、待ち構えている俺の胸元へ
躊躇うことなく飛び込んで来る杏花。
可愛くて、愛おしくて、狂おしくて
愛して止まない……『最愛の妻』
そんな彼女をギュッと抱きしめ
「今日くらいは幾らだって我が儘聞いてやる」
「ホント?!」
杏花は嬉しそうに顔を上げるが、
実際のところ『今日』に限らず、
彼女の我が儘ならいつだって
無制限で聞いてやるっつーの!!
「フフッ…」
「ん?」
不思議そうに覗き込む杏花。
「別に何でもない。そろそろ出るか?」
「うん!!」
嬉しそうに微笑む彼女の唇に軽くキスを落とし、
俺らは久しぶりのデートへと繰り出した。