Special Edition
「……バースデープレゼント」
「………ん?」
プレゼント?
店のことか??
俺が聞き返そうとすると、
「リクエスト……しちゃ……ダメ?////」
「へ?」
リクエスト……って?
欲しいモノがあるのか?
「ん、いいよ。言ってみ?」
暫く、黙ったままモジモジと。
恥かしそうにそっと呟いた。
「要………………を……」
「…………………ッ?!!」
ギュッとギュッときつく抱きつく杏花。
リクエストという名のおねだりは、
俺の心を鷲掴みにした一言。
欲しいモノを尋ねても、決して
出て来る事は無いと思っていた夢の言葉。
毎日、何度も耳にしているのに
今のこの時ばかりは、
言葉の重みの次元が違う。
俺は優しく彼女の髪を撫でて、
「仰せのままに……」
首元を覆う柔らかい彼女の髪を掻き分け
色白の美肌にそっと唇を這わせた。
杏花の24歳の誕生日。
彼女の夢をアシストした俺。
そして、彼女が望んだもう1つとは……。
杏花にとって『俺』が
無二の所有物なのかもしれない。
~FIN~