Special Edition
ったく!!
これだけ目立つ恰好をしてるのに
ゆのは俺に気が付かないのだろうか?
―――――いや、違うな。
きっと、ゆのの事だから
任された仕事に夢中になっているに違いない。
急ぎ足でフェスタ運営本部席へと。
辺りを見回すが、ゆのの姿はない。
はぁ~、一体俺の愛姫はどこにいるのやら。
俺は小さくため息を吐き、
気を取り直して、自分の仕事をする事に。
本部席のスタッフに挨拶し、
特設会場へと移動し始めた。
特設会場は野点(屋外茶席)式に
簡易的に茶をもてなす場を設けている。
日中の暑い中、父親は嫌な顏一つせず、
涼しい顔で極上の茶を点てていたハズ。
小さい頃から見て来たが、本当に凄いと思う。
今年は夜の部を任されたが、
恐らく、来年は俺が昼の部だろうな。
そんな考えが脳裏をかすめていた。
移動途中でイベント会場のステージ裏を通りかかった
その時―――――!!