Special Edition


「あの、うちの家内は?」

「ゆのちゃん?」

「はい」

「ゆのちゃんなら、随分前に商工会の人に連れて行かれたわよ?」

「えっ?」


…………商工会?

それって……まさか……?!


急に居てもたってもいられない程、

嫌な感じが全開にするんだが……。


「あの、ゆのが連れて行かれた先って…」


もしやと思い、恐る恐る尋ねると


「ん?そりゃあ、あそこに決まってるわよ。ウフフッ」

「ッ?!!」


―――――やっぱり!!

はあぁぁ~~~。

俺は大きなため息と共に焦燥感に襲われた。


俺の大事なゆのが、『あそこ』に行ってるだと?!


「ゆのちゃん、可愛いから心配でしょう?」

「そりゃあ……まぁ…」


俺は必死に言葉を濁して、

その場を誤魔化そうとしてみるものの

無条件に顔面がピクピクと…。

愛想笑いで誤魔化せない程、

腸が煮えくり返ってるっつーの!!


ゆの……俺のゆのが……。


その時――――。


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