Special Edition


地元の若手職人がこぞって参加し、

ミス・向日葵も会場にいるという事で

毎年、地ビール会場は大賑わい。


しかも、無料配布と来てるから

ビール目当ての呑兵衛も集まって

それはそれは恐ろしい光景に。


酔っ払ったオッサンどもの相手をしながら

暑さを堪え、立ちっ放し。


夫に了解も無く、

勝手に妻を小間使い扱いしやがって。


俺は憤慨しながらも、

既に野点席へ到着してる今、

事を荒立てる訳にもいかず。


「家元?……家元?!」

「あっ、はい。すみません」


運営スタッフに肩を叩かれ、

仕方なく、己の仕事を全うする事に。



フェスティバル会場はどこも大賑わい。

あちこちから大きな歓声が起こる中、

一段高く盛られた野点席、

その場所だけは凛とした空気を纏い

周りの雑音、雑念が払われるかのように。



およそ2時間の仕事を終え、

会場にいた人々はこぞって花火会場へと流れてゆく。


俺はゆっくりと腰を上げた、その時!!


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