Special Edition


「キャッ!!なっ、何するんですかッ?!」

「おねぇちゃん、俺達と一緒に花火でも観に行こうや」

「はっ?!いっ、行けませんよ!!まだ、仕事がありますから…」

「まっ、そうお堅い事言わずにさぁ~」


野点席の間隣りの会場から

愛しの妻の声が耳に届いた。

それも……悲鳴に似た半泣き状態の声が。


俺は無意識にその声を辿り、視線を向けると

褌姿の男共が3人、よってたかって

ゆのを拉致ろうとしてるじゃねぇか!!


すると、


「おい、兄ちゃんよ~!!この娘、まだ仕事しなきゃなんねぇのかい?」

「えっ?あっ、そうですねぇ…」


3人のうちの1人が、

近くにいた運営スタッフに声を掛けた。


スタッフは困惑の様子で頭を掻いている。



おいっ、何を黙ってんだよ!!

『まだ、仕事がある』って言えば済むだろうに!!


俺はムッとしながら、

その一部始終を見守っていた。



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