Special Edition
「今日は大変お世話になりました」
「いえ、こちらこそ、有難うございました」
「申し訳ありませんが、この後、所用がございまして…」
俺は丁寧に、それでいて簡潔に用件伝え
フタッフに深々とお辞儀を…。
「えっ?家元、そうなんですか?ここはもう大丈夫ですので、どうぞ、そちらへ…」
「本当に申し訳ありません」
俺は焦りながらも表情はクールに。
そして……軽く会釈。
一応、これでも『家元』だから
その名を汚す訳にはいかない。
「いえ、ホントに大丈夫ですから、どうぞ、お気になさらず」
笑顔で会釈するスタッフに極上のスマイルを…。
そして……――……。
俺は足早にゆののもとへ駆け寄った。
まだまだ会場付近には大勢の人だかり。
その人波を縫うように愛妻のもとへ。
「すみません……すみません……」
そして、その間にも……。
俺の愛姫は男共に拉致られる寸前!!
俺は居てもたってもいられず、