Special Edition
市街地を通り抜け、自宅とは反対方面へ。
すると、
「あの…」
「ん?」
「どこへ向かってるんですか?」
ゆのは辺りをキョロキョロ。
自宅がある方面をチラ見した後、俺を凝視。
そんな彼女の行動が愛おしく思えて、
つい、悪ふざけがしたくなった。
だって、
俺の目と鼻の先で俺以外の男にニコニコと。
俺だけの特権のハズのキュートな笑顔を
プライスレスで配り歩いたんだから。
さっきまでの行動を思い出すだけで腹立たしい。
不思議そうに俺を見つめる彼女に
「お仕置き決行だからな?」
「えっ?」
「俺ら夫婦の間で秘密事は『無しにしよう』って、決めたよな?」
「それはそうですけど、きょうのは…」
困惑の表情を浮かべるゆの。