Special Edition
「ん」
「……はい」
そっと手を差し出し、
ゆのは俺の手を優しく掴んだ。
「来年は今年より忙しくなるから、ゆっくり花火を見れないかもな」
「………そうですね」
―――――ドーンッ……ドーンッ……
色とりどりの大輪が夜空に咲き誇り、
俺らは静かにそれをじっと眺めていた。
小一時間ほど眺めると、
最後を飾る三尺玉の大花火。
見事なまでのしだれ柳が夜空に描かれた。
「凄~~~い!!」
「……だな」
思わず、感嘆の声が。
暫く眺めていても、
次の花火が打ち上がる事もなく。
「そろそろ帰るか」
「そう……ですね」
「ん?まだ、見たりないのか?」
「あっ、いや……そんな事は無いんですけど…」
ゆのは急にそわそわとし始めた。
俺の手を何度も握り返し、
横目で何度もチラ見する。
……ん?
何か、あるのか??