Special Edition
「どうした?……トイレか?」
「あっ、いえ……」
「ん?」
やはり、ゆのの様子が少し変だ。
俺が彼女の顔を覗き込むと、
「あっ、あの……」
「ん?何だ?……言ってみろ」
俺の言葉に覚悟を決めたのか、
ゆのはスーハーと大きく深呼吸。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「あの……お家に帰ったら、お仕置き……ですか?」
「へ?」
あっ!!
そう言えば、なんな事を……。
あの時はたまたまイラッとして
軽い悪ふざけのつもりで口走ったが、
ゆのには冗談は通用しないんだったな。
彼女は俺の言葉を素直に捉え、
俺が何かしらの『お仕置き』をするモノだと。
フッ、ゆのがそのつもりなら
もう少しだけ、苛めてみるか。
俺は駐車場へと歩み進める足を止め、
ゆっくりと彼女の方へ振り返り……。