Special Edition
「杏花の心配事だけど……」
「………うん」
「俺は気にしないってか、俺が原因かもしれないしな」
「………へっ?」
「だから、斗賀じゃなくて………俺が」
「………ッ?!////」
俺が不敵な笑みを察して、杏花はビクッと反応した。
いいねぇ~、そういう反応。
………悪くない。
斗賀が脳内を占めるのは仕方の無い事かもしれないが、
こうして俺の腕の中にいる時は、
脳内どころか、身体の隅々まで俺の事で埋め尽くしてやる。
他の事を考える余裕が無いくらいに……。
俺は覆い被さるように体勢を変え、ゆっくりと額にキスを落とす。
そして、久しぶりの感触を味わうように
ゆっくりと、じっくりと唇を額から瞼、
瞼から鼻先、鼻先から唇へを滑らせて行く。
そして、柔らかい杏花の唇に到達した俺の唇は
甘い吐息を溢れさせ、その感触を執拗に味わい始めた。
ここ数日、触れる事さえ無かったから
お互いに敏感になっているのかもしれない。
僅かな触れでも甘く疼いて、甘美な痺れが襲ってくる。
余裕の無くなった俺は少し意地悪く甘噛みすると、
俺の服を握りしめ、吸い返して来た。