Special Edition
「杏花」
俺の声に反応するかのように
ゆっくりと瞼を開けた杏花は、
しっとり濡れた愛らしい口で俺の名を呼ぶ。
「………要」
どこまでも心地いいその声色。
優しく穏やかで、そして俺の心を揺さぶるんだ。
可愛らしい声のハズなのに
何故だろう、俺を『男』にさせるのは。
俺は彼女の声に応えるように
再び甘いキスの雨の降らし始める。
そして、ゆっくりと………。
白い肌が桜色に染まるのを愉しみながら。
まだ物足りないと言わんばかりの彼女の唇から離れ、
ゆっくりと俺の唇は降下して行く。
華奢な首元。
綺麗な鎖骨。
そして、魅惑の胸元へと……深紅の薔薇を咲かせながら。
そんな俺の極上の口づけに
罪深いほどに甘い吐息を漏らす杏花。
『クリスマス』
それは、待ち焦がれてこそ意味を成す
―――――――極上のひととき
~FIN~