Special Edition
「はぁ~~っい、そこまでッ!!」
「ッ?!!」
突然真横から腕が伸びて来て、口元を覆うように手で制止させられた。
「兄貴、ラブシーンは自分の部屋でしろよな。ってか、ランちゃんその顔、マジエロいんだけどっ」
「ッ//////」
「お前はさっさと失せろっ!!」
「チッ」
翔の奴、こういう時は気を利かせろってのっ!!
それに……
「蘭」
「っ……」
翔の言葉ですっかり恥ずかしくなってしまったようで、俺の胸から顔を上げようとしない。
まぁ、確かに………翔の言う通り、蘭のキス顔はかなりエロい。
だけど、それを見ていいのは俺だけだってのッ!!
翔が冷蔵庫からペットボトルのお茶を手に取り、
「ごゆっくり~♪」
余計なひと言を置き土産に颯爽と3階へと駆けて行った。
「蘭、ごめんな」
羞恥でへこむ彼女の頭を優しく撫でる。
けれど、蘭は一向に頭を上げようとしない。
ったく、こんな絶好のチャンス、滅多に無かったのにッ!!