Special Edition


自業自得だと言えばその通りなのだが……。

それでもやっぱり、彼女にはいい所を見せたいのが男というモノだ。


俺は余裕ぶって、必死に繋ぎ止める理性の気配すら見せず。

彼女を優しく包み込む。



いつだったか、彼女を送り届けた時に、スッと腰に手を回したら怪訝な顔をされたんだ。

俺は、そんな彼女の顔を覗き込み尋ねると、


『遊び相手の女の子と、一緒にしないでっ!』と一瞥された。


まぁ確かに腰に手を回すのも、肩を抱き寄せるのも抵抗は無い。

むしろ、触れていない方がもどかしいような……。


だけど、蘭にとってはそれが重要で。

俺が節操のない男だと完全に思い込んでいるうちは、手出しは出来ないと思ったんだ。



好きだからこそ、大事にしたい。

大事だからこそ、我慢も出来る。

我慢をしたからこそ、お互いの想いも深くなる。



……俺はそう考えて、出来るだけボディタッチは控え、出来るだけ好青年に努めている。

まぁ、それもそろそろ限界だったりするんだけど。



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