Special Edition


「もうッ………少しだけって言ったら………ぃゃっ………ですかっ?////」

「へ?」


蘭の口からとんでもない言葉が飛び出して来た。

消え入りそうな声音で『ぃゃ』かどうかを尋ねられても………返答に困るってもんだ。


嫌な訳がない。

むしろ、無条件でウェルカムなんだけど。


何だろうなぁ、完全に毒が抜けてしまったのか。

がっつこうとは思わない。

敢えて、愉しみを後に取っておきたいというか……。


返答に困り果て、苦笑していると、こつんとお互いの膝頭がぶつかった。

それは、お互いの距離が縮まった事を意味していて―――――


震え気味の手が俺の両肩にそっと乗せられた。


俺に覆い被さるようにほんの少し踵を上げ、中途半端な体勢の蘭。

涙を纏う目元は不安な色を滲ませていて……。


ここまで求められて断る理由が思い浮かばない。

ここで拒絶したら、二度と心を開いてくれない気がしてならなかった。



だから――――――


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