Special Edition
夜用の為に厚手の上着を手にして、玄関に着くと。
「これだけ?」
「ん?………うん。他に何かあった?」
「…………」
何故か、無言で眉間にしわを寄せる大和。
忘れ物は無いと思うんだけど……。
レストランの駐車場とは反対側に、既に宴会用の場所を用意して下さっているらしく。
ブルーシートみたいな敷物は要らないし。
おつまみになるようなお料理の大半を叔母様がご用意して下さるって言ってたし。
お酒は志帆ちゃんが用意して来る事になってるし。
私は主食になるような、巻き寿司やいなり寿司、手軽に食べれるようにロールサンドを用意した。
他に、何かあったかしら?
小首を傾げていると、
「小町、先に車に乗ってろ」
「えっ?」
「荷物は俺が運ぶから、先に……あっ、いや、そこで待ってろ」
「え?」
「すぐ戻って来るから1人で行くなよ?」
「………………ん」
人差し指をビシッと立てて、言い訳する言葉も許さないと言わんばかりの表情を浮かべる大和。
こういう時は、逆らわないのが一番。
私は履き心地の良いショートブーツを履いて、スタンバイ。
すると、