Deep love


あっ…もう1時間は舐め続けている。


ハゲあがった頭を
小刻みに揺らして、
クチュクチュ音を立てながら、オヤジが嬉しそうに言った。

「オイしいぬ、アユちゃんのは」

アユは17歳の女子高生。
みんなからも、
かなり可愛いと言われている。

一回5万円…文句を言うオヤジはいない。


んっ!…のどの奥まで、
どろっとしたのが流れてきた。
最後に口で出してやるとおやじ達は喜ぶ。
まあ、これで5万円ならいっか、とアユは思う。


「売り」が悪いとは、
アユは思わない。
大人は才能を売って金にしている。
お客や会社に心を売って稼いでいる。

アユも才能を売っているだけ。
オヤジのよだれと自分のとで、ぐしょぐしょになった下着をそのままはいて、外に出た。


今日は「ヤリ友」の健二のアパートに泊まる。

ずっと家には帰っていない。

アパートに向かう途中、歩道のゴミを掃いているおばあちゃんを見かけた。
タバコの吸い殻、投げ捨てられたコンビニの袋、散らばったゴミをせっせと集めている。
小さな体で、大きなほうきを動かしている。
ふと、おばあちゃんと目があったこと何かかわいい目をしている。

『タルくない?』
自然と言葉が出た。
アユの口癖だ。
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